公受塾のブログ

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初期研修病院の選び方~私がこの病院を選んだ三つの理由~

今日は久しぶりに病院に学生さんが見学にやってきました。
医学部5年生の人たちは、そろそろ病院見学を始める季節ですね。
 
私は学生さんを担当することになったときには、病院の案内や説明などはしません。
必ずあることをお話します。
それは「初期研修病院の選び方」です。
 
今日はそのことについて書きたいと思います。
 
 

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<まずは自分の中での基準を決めることが大事>

よく「○○病院がよい」とか、「~のような病院はやめとけ」とか、「△△病院はブラック」とか本に書いてあったり、先輩にアドバイスをもらうことがあると思います。
 
でもそれはすべて嘘ですよ。
 
確かに中には事実もあるかもしれませんが、
それはその人の基準に照らし合わせて病院を評価しているだけなのです。
 
つまり絶対的なものではないということです。
 
皆それぞれ自分の基準をもっており(気づいている人もいれば、まだそのことに気づいていない人もいます)最も信じるべきなのは自分の基準なのです、
 
その基準を5年生の秋までには作るとよいです。
 
 
ではどうやって作るのか。
 
それはまず病院にいくことです。
 
病院に実際に見学しに行って、具体的によいことと、よくないことを紙に書きだします。
するとそこから共通点が見つかるので、その共通点を抽出して、抽象化します。
この抽象化したものが、自分にとっての基準なのです。
 
これを5年生の秋までには行い基準を作り、5年生の冬から6年生の前半にかけて、自分だけの基準に照らし合わせて本格的に病院を探すという流れがよいかなと思います。
 
実際に私はそうやって病院を探していました。
 
 
 
 
 

<私の三つの基準>

ではここからは私についてお話しましょう。
私は千葉の某病院で働いているのですが、
この病院を選んだのも自分の三つの基準に当てはまったからなのです。
 
 
その三つの基準についてご紹介したいと思います。
 
 

【①スタンダード(当たり前のレベル)をあげたいかどうか→あげたい】

学生にとっては研修医でどのように働くかイメージできていないと思います。
実際1か月に4回の当直がどれだけのしんどさか、1月8回の当直が本当につらいのか、わからないと思います。
それは当たり前です。それ自体は良いのです。
 
実はそのわからない、その人にとって病院で働くという感覚がない状況がチャンスで、この時期にいかに、「当たり前」のレベルをあげるかが今後に大きく影響します。
 
つまり最初に働いた病院がその人にとって、当たり前で
その働き方、忙しさ、感覚が自分のスタンダードになり、その後の医師人生や病院選択にも影響がでてくるのです。
 
そのレベルをできるだけ「忙しさを知らない、自分の当たり前のレベルを知らない」うちにあげておくことが重要にしたかったのです。
 
単純に
月4回の当直が当たり前と思っている人が月6回当直の病院にいくと、いっぱいいっぱいになる可能性が高いけど
月8回の当直が当たり前と思っている人が月6回当直の病院にいくと、もっと多くのことができますよね。
 
 
「鉄は熱いうちに叩け」です。
 
 
 

【②自由か?システマティックか?→私は自由がよかった】

よく、研修は自分次第でどうでもできるといわれていますが、それは少し違うかなと思います。
 
実際は
「自分次第でどうにでもできる自由さがあるかどうか」が非常に重要になってくるのです。
 
どんなに自分でいろいろやろうとしても、病院自体がそれを許さなければ、思うような研修はできません。
また自発性という力も自由か、システマティックかで大きく変わります。
 
例えば一つの例として、救急外来で来た症例を用いて翌日に上級医が朝早くから抗議をしてくれる病院があります。しかし、このようなことは自分たちでできるはずなのです。
ごはんとか食べながら、昨日の救急症例を同期同士で検討したりするのは自然にできると思います。必要があれば上級医に聞いたらいいですし、わざわざ朝早くから決まりとしてやる必要はないです。やりたいと思ったときにやったらよい。必要と思ったときにやったらよい。
「そんな自分を向上させる勉強や練習を初期研修になってまで与えられるということに甘えているようじゃいけないかなと思います。」
講義があるということは自発が生まれにくいということにつながりかねません。
ただでさえ医学生は医学教育を与えられ続けてきたわけでありレールの上にのって進んできたのです。
 
初期研修になってまで与えられ続けていたら、いつまでたっても自分を中心とした医師人生を歩めないですよね。
 
 

【③同期は友達か?仕事仲間か?→仕事仲間として関わりたい】

私は同期のことを仕事仲間として見ています。
 
たまたま働く場所が一緒だっただけであり、病院はなれ合いにきているわけではないです。
 
以前少しはやった、「会社は学校じゃねぇんだよ」というブログ内容、まさにこの感覚です。
 
 
 
私たちは給料をもらって働いているもの同士なのです。ある意味競争するライバルでもあります。
よって、プライベートで食事にいくのもたまにはよいですが、いつも一緒にいるというような部活的なノリは好きではありません。
 
当然、同期が遅刻をして私の仕事が増えた場合はその時点で信頼も失います。
そのくらい仕事に対してはシビアにやっていきたいです。
ただこれは一般社会人にとっては当たり前の話。
 
初期研修医はよく医学生の延長線と言われるのですが、それはこれらのような意識が足りないからではないかと感じます。
 
 
以上から、私の基準に合う病院を探し続けたところ今の病院にいたりました。
入職後は予想通り私にとっては最高の研修病院でした。
 
 
 

<結局最も良い病院は自分が決めた病院>

あくまで、
私にとって最高の研修病院です。
おそらく、あまりきつい研修をしたくなく、同期という名の友達と遊びに行く時間もほしい、病院から講義してもらい、受け身的な研修をしたいという人にとっては最も合わない病院だと思います。
 
世の中に研修病院はたくさんあり、それぞれ特徴があります。
そして初期研修医も、研修に対する優先順位は異なります。
それ自体はいいのです。それぞれが自分の一回しかない初期研修という時間をどう使うかは勝手です。
 
大事なのは、その自分の優先順位をしっかりと把握し、周囲の声やいわゆる有名病院と言われるような名声に惑わされず、あくまでそれらは参考にし、自分の基準に照らし合わせて、自分で選ぶこと。これが最も大事です。
 
 
これからおそらく、この病院がよいよ、この病院はやめとけよ、有名病院など、自分で選んでいるつもりが回りに流されてしまっている状態に陥ることがあると思います。
 
そんなときはこのブログを一度さっと目を通して、大事なことを思い出していただけたら、うれしいなと思います。
そうすれば後悔のない病院を選択できると思います。
 
 
お待ちしていますよ^^